英BTグループが、現地時間8月14日に、『NY証券取引所より上場廃止およびADRプログラムの終了』を発表しました。
高配当株であり、配当金に課税されないことから、投資されている人も多くおられると思います。
この先、同社の株の取扱いはどうなるのでしょうか?
また、保有している銘柄が、上場廃止となる場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?
こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
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僕okeydonは、NY証券取引所に上場しているBTグループADRに投資していましまが、この発表を受けて全株売却しました。
理由は、上場廃止が前向きに取られて株価にプラスになることはまず無いため、このまま保有してもジリ貧になると感じたからです。事実、ボーダフォンの減配報道に連動して株価は従来から下げていましたが、この報道を受けてさらに株価は下げて一桁になりました。
高配当を享受し続ける考えはなかったのか?その考えも初めはありましたが、上場廃止だけではなくADRプログラムも終了することから、それは難しいと判断しました。
それでは、情報を整理していきます。
◆BTグループからのリリース
newsroom.bt.com
BTグループの発表によりますと、
BT announces intention to delist from New York Stock Exchange and terminate ADR programme, and to deregister and terminate reporting obligations with the SEC
とあります。
Google翻訳を使って日本語にしますと、
『BTは、ニューヨーク証券取引所から上場廃止およびADRプログラムを終了し、SECに報告義務を登録解除および終了する意向を発表します』
となります。
さらに、次のようにも発表されました。※本文は省略して、Google翻訳のみ記載。
『BT Group plc(BT)は本日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に、米国預託株式(ADR)の上場廃止の意思を書面で通知します。上場廃止に関連して、BTは2019年9月3日に米国証券取引委員会(SEC)にフォーム25を提出する予定であり、2019年9月13日にニューヨークの市場が閉鎖された後、上場廃止が有効になると予想しています。BTのADRはNYSEで取引されなくなります。』
『BTは本日、JPRorgan Chase Bank、N.A.(JPMorgan)に、米国預託証券(ADR)プログラム預託機関として、ADRプログラムを終了する意向を通知しました。 BTは、ADRプログラムの終了が2019年9月23日に有効になると予想しています。』
ということです。
それでは、NY市場より上場廃止、ADRプログラム終了となると、我々投資家はどうなるのでしょうか?どのようなアクションを取るべきなのでしょうか?
◆過去にアメリカ市場で上場廃止した日本企業
過去に、アメリカ市場で上場廃止した日本の銘柄を調査しました。日本語で発信されているので情報整理はもってこいです。
パナソニックは『上場廃止後も、米国における ADR プログラムを継続する予定であり、 引き続き、米国の店頭市場において当社 ADR の取引は可能です。』とリリースしました(要約)。
・インターネットイニシアティブ 2019年4月22日上場廃止
インターネットイニシアティブは『NASDAQ 上場廃止後も、ADRプログラムを継続する方針で、引き続き米国の店頭市場で取引される見込みです。また、従前どおりに、ADR は国内株式と ADR の転換比率の単位数量にて国内株式へ転換可能で、配当等の手続きも、預託銀行が引き続き行いま す。 』とリリースしました(要約)。
このように、上場廃止後も店頭市場で取引されています。ただし、上場廃止後もADRプログラムが継続されているという前提です。従いまして、BTグループはADRプログラムを終了するとリリースしていますので、条件が異なってきます。
NY証券取引所 上場廃止かつADRプログラムを終了した企業を、さらに遡って探したところ、日本電気のケースを見つけました。
・日本電気 2010年3月3日リリース
www.nec.co.jp
日本電気は『2010年3月31日をもってADRプログラムを終了する。終了にあたり、預託銀行であるニューヨークメロン銀行は、ADRプログラムの終了日から1年経過後に、ADRを普通株式に交換したうえで売却し、株主に対して証券会社を通じてその売却代金を支払う。』とリリースしました(要約)。
これが、今回のBTグループのケースに近いと思われます。
◆SBI証券の上場廃止時のアナウンス
続いて、SBI証券の上場廃止時のアナウンスを要約します。
・ADRから現物株への交換、現物株への引出しはできない。
・ADRが上場廃止となった場合、取扱いを停止することがある。また、この場合、株券を返すことができない。
・上場廃止となった場合、アメリカ現地において、ケースによってはトランスファー・エージェントにおける記帳が凍結されることがあり、取扱銘柄の上場廃止、破産等がア メリカ現地で発表された場合、状況により移管を制限することがある。
・NY証券取引所が売買制限を設けた場合、もしくはSBI証券が必要であると判断した場合、売買を制限することがある。
◆SBI証券の上場廃止銘柄への過去の対応
続いて、SBI証券が上場廃止銘柄について、どのように対応しているかを調べました。最近の3銘柄について紹介します。
・Yingli Green ADR 2018年7月2日上場廃止
NY証券取引所 上場廃止後、OTCで取引中であり、SBI証券ではカスタマーサービスセンターにて売却注文に限り受け付け。ネットでの取り扱いはなく、株価表示もされません。
※okeydon注:OTC=店頭市場
・Gafisa ADR 2018年12月17日上場廃止
NY証券取引所 上場廃止後、OTCで取引中であり、SBI証券ではカスタマーサービスセンターにて売却注文に限り受け付け。ネットでの取り扱いはなく、株価も表示されません。
・Cobalt Intl Energy 2017年12月14日
こちらはADRではありませんが、NY証券取引所 上場廃止後に同じようにOTCで取引をされていました。その後、さらにOTCからも上場廃止になり、取り扱いが終わりました。
◆僕okeydonの判断
以上の情報から総合的に判断しますと、NY証券取引所から上場廃止、かつADRプログラムが終了となる場合、SBI証券で従来通り取引は困難であり、また売却のみの取り扱いもないと予想します。SBI証券では、ADRから現物株への転換は行わないとありますので、BTグループがそのようにアナウンスしたとしても、現物株を保有するのは無理でしょう。SBI証券は元からBTグループの現物株を取り扱っていない(取り扱いはADRのみ)というのも状況を困難にしています。おそらく、上場廃止後に現金化されることになるのではないでしょうか。
◆僕okeydonのアクション(対処)
従いまして、僕okeydonは、持ち株を全株手放すという判断を下して、即売却しました。BTグループは高配当株として重宝していましたが、この状況になってしまった今はもっと他に優先すべき銘柄があるとも思います。
◆今後、別銘柄で上場廃止があった場合の対処法
今回は保有株が上場廃止、ADRプログラム終了という初めての体験をしましたが、これは今後また同じことがあった場合の対処法にもなるでしょう。もちろんあって欲しくはありませんが。
・株価が大きく下げたら、当該企業のIRページを確認する
・上場廃止の場合、どういう形で上場廃止なのか確認する(店頭市場に残るのかどうか等)
・過去の似たようなケースを探す
・それら情報を元にアクション(対処)する
◆終わりに
BTグループADRホルダーの方は情報収集されることを強くお勧めします。
投資判断は自己責任にてお願い致します。
この記事は僕okeydonの解釈に基づくものであり、必ずしも正確とは言えません。くれぐれも、皆さまご自身で情報収集、整理、ご理解の上、投資判断くださいますようお願い致します。この記事を元に投資判断をされた結果、損害が発生したとしましても、管理人okeydonは一切の責任を負わないものとします。
今日も何事にも適温でまいりましょう。
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