こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
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先日は「確定申告 総合課税」の説明をしましたが、今日は「確定申告 申告分離課税」の説明をします。
まず初めに、僕okeydonの法解釈が曖昧な点は予め税務署や国税庁に問い合わせをした上で記事を執筆していますが、個々の事情によりどちらが得とか損とか等判断が難しく、また個別の案件には適合しない可能性もありますので、最終的には皆さまご自身で税務署や国税庁にお問い合わせください。
1年間(1月1日〜12月31日)の株売買で損失を出した場合、譲渡所得および配当所得について「確定申告 申告分離課税」を行なうことで、節税ができる可能性があります。
ここで、「可能性」と記述しましたのは、売買による損失額の大きさと受け取り配当金総額の大小により節税効果が変わってくるからです。売買による損失が小さく、配当金が多い場合は、配当所得について「確定申告 総合課税」の方が有利になります。
確定申告 申告分離課税による税率は、配当金に20%(所得税15%、住民税5%、ほかに平成25年から25年間は復興特別法人税)、株売買による所得に20%(内訳同様)が掛かります。配当控除はありません。ここまで読めば、「特定口座 源泉徴収あり」なら確定申告しなくても同じではないか。確定申告する意味があるのか。そう思われるでしょう。
ここから、申告分離課税のメリットを説明します。メリットは3つ。
メリット① 配当金を銀行口座にて受領している場合、もしくは複数の証券会社(特定口座)にて配当金を受領している場合、譲渡損失(=株売買による損失、以下同様)と配当金の損益通算が可能
メリット② 譲渡損失の繰越控除(翌年以降も3年間有効)が可能
メリット③ 異なる証券会社(特定口座)の損益通算が可能
※これらは外国株にも適用されます。日本株、外国株の売買損益および配当金が全てカバーされます。
メリット①および②について、具体的に説明します。
(国税庁ホームページより引用)
上の図を解説します。
2020年 売買損110万円、配当金10万円→繰越控除額100万円(110万円-10万円=100万円)
2021年 売買益40万円、配当金5万円→繰越控除額55万円(100万円-40万円-5万円=55万円)
2022年 売買益30万円、配当金5万円→繰越控除額20万円(55万円-30万円-5万円=20万円)
2023年 売買益10円、配当金30万円→課税対象20万円(20万円-10万円-30万円=▲20万円)
このように売買損を出した場合、4年間にわたり売買益と配当金の節税が可能になります。
ただし、途中で確定申告をしない年があると、繰越控除はリセット(無効)されます。途中で総合課税を選択する年があっても、翌年以降に再び申告分離課税を選択すれば3年以内は繰越控除が適用されます。
続いて、メリット③について。
複数の証券会社(特定口座)で取り引きがあり、証券会社Aで売買益が、証券会社Bで売買損が出た場合、この申告分離課税により、損益通算が可能です。
例えば、証券会社Aで100万円の売買益が出て、証券会社Bで90万円の売買損が出た場合、損益通算されて10万円の売買益に対する税金のみ納めることになります。源泉徴収済みの場合は、税が還付されます。
株売買で大きく損失を出された方は、確定申告 申告分離課税をご検討ください。
投資は攻め、節税は守り、攻守揃った投資家になりたいですね。
情報発信には細心の注意を払っておりますが、法改正や法解釈の変更、新たな判例が出される、管理人okeydon(おけいどん)の知識不足等の可能性があります。最終的には、読者の皆様ご自身で、監督官庁等にご確認いただきますようお願い致します。
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今日も何事にも適温でまいりましょう。