こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
今日は、「中国製造2025と米中貿易摩擦」について。
国際ニュースを見ると、米中貿易摩擦に関連して、「中国製造2025」という言葉をちらほら耳にされるかと思います。投資家としてはおさえておきたい時事問題ですので、記事に取り上げることにしました。
中国製造2025とは・・・
英語では、「メイド・イン・チャイナ2025」と言います。
中国政府が2015年5月に発表したもので、中華人民共和国建国100周年となる2049年までに「世界の製造大国」としての地位を築くことを目標に掲げた取り組みです。次世代情報技術や新エネルギー車など最先端技術の製造業の高度化を目指すというものです。
第1段階は、2025年までに「世界の製造強国の仲間入り」、これが「中国製造2025」に相当します。
第2段階は、2035年までに中国の製造業レベルを「世界の製造強国陣営の中位に位置させる」。
第3段階は、2045年には「製造強国のトップになる」。
これまで、中国は、低賃金の豊富な労働力を武器に世界の工場と言われて、大量生産品を世界中に供給してきました。皆さんのおうちにもメイド イン チャイナの衣類や靴などいろいろな中国製品があると思います。
しかし、人件費が高騰し、今後は人口減となっていくなか、IT、ロボット、AIなど最先端技術の分野において世界トップを目指そうとしています。
これに、反応したのがアメリカです。
昨年、アメリカは各国と貿易摩擦を起こしました。日本、ヨーロッパ、メキシコ、カナダなどとは、アメリカの貿易赤字が理由です。
ところが、米中貿易摩擦は、アメリカの貿易赤字が表向きの理由となっていますが、実はこの最先端技術における覇権争いが裏の理由、本丸なのです。国防にもかかわる問題ですから、両国とも簡単には引けない事情があります。
10年後には、世界の最先端技術は米中がトップ2になる可能性を秘めています。アメリカはそれを容認できませんから、米中貿易摩擦の解決には相当な時間を要します。
数日前に中国税関総署が発表した情報では、中国の貿易黒字額が減少しています。
さらに、直近のニュースでは、中国が米国からの輸入額を2024年までの6年間で計1兆ドル(約110兆円)以上増やし、貿易黒字を解消させる案を米国側に示したと報じられました。
短期的には米中貿易摩擦は和らぐ要因になると思いますが、これをもって全面解決とはならないでしょう。
従いまして、この先も相場は安定せず、時折 荒れることが予想されます。
ゆえに、投資家としては、キャッシュポジションを高めに持つ、(株価が下げたときに投資するための)買付リストを整備する、株価が下げる心の準備をしておくなど、下げ相場に備えておく必要があると思います。