おけいどんの適温生活と投資日記(FIRE生活、世界30ヵ国の増配株、ETF、リート投資)

アーリーリタイア ブロガー 桶井 道/おけいどんがFIRE生活と投資、介護(父は要介護5、母はがんサバイバー)について綴ります。投資歴25年、日米など30ヵ国の増配株、ETF、リート。【メディア掲載/コラム連載】多数、プロフィールに記載。【著書】 3冊(FIRE本、米国ETF投資本、新NISA活用本、Amazonにて桶井 道で検索して下さい)【仕事依頼について】問い合わせフォーム(「カテゴリー検索」から探せます)からお願いします

●メドトロニック(アイルランド)は、心臓ペースメーカーの世界最大手

アイルランドメドトロニック(ティッカーコード:MDT)をご紹介します。心臓ペースメーカーの世界的な独占企業です。

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こんにちは、okeydon(おけいどん)です。



メドトロニックは、僕okeydonの投資先です。ヘルスケアセクターへはETFで投資する方針なのですが、メドトロニックとジョンソンエンドジョンソンのみ例外としています。

それでは、メドトロニックの銘柄紹介と分析を行ないたいと思います。



◆メドトロニックとは
メドトロニックは、心臓ペースメーカーなど医療機器の開発・製造・販売をする医療機器メーカーです。主な事業は心臓ペースメーカーなど心疾患及び血管関連ですが、それ以外に、低侵襲治療、修復治療、糖尿病関連の事業をしています。


1949年に、ミネソタ大学病院に勤務していたアール・バッケン氏とその義兄により、医療機器修理会社として、ミネソタ州で創業されました。

1957年に、世界初の電池式心臓ペースメーカーを開発しました。その後、1960年代後半に世界初の植込型心臓ペースメーカーを開発しました。そして、世界最大手の心臓ペースメーカー製造企業になりました。業界トップクラスの技術力、製品開発力を有しています。

また、医療機器メーカーなどの買収を繰り返すことで、大きな企業への成長しています。

今や、世界約160ヶ国に480以上の拠点を持ち、約98,000人の従業員を擁する多国籍企業です。ヘルスケアセクターでは、時価総額でも、売上高でも、世界最大規模です。


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◆買収履歴
2011年 ピークサージカル買収
2011年 ガーディアン買収
2014年 ビジュアレイズ買収
2014年 コヴィディエン買収
2015年 トゥエルブ買収
2015年 ソフォノ買収
2016年 ハートウェア買収
2019年 EPIXセラピューティクス買収合意

このように多くの企業を次々と買収してきました。また、その一方で、2017年に医療器具事業の一部を売却しています。



◆本社移転
2014年6月にアイルランドのヘルスケア製品企業のコヴィディエン社を買収したのを機に、2015年1月 本社をアメリカからアイルランドに移転しました。アイルランド法定実効税率が12.5%と、アメリカに比べて低かったのが移転の理由です。



◆利益の出る体質を構築
このように、多くの企業を買収することで売上、利益を拡大して、一部事業を売却することで効率を上げ、本社移転により節税を行なうなど、利益の出る体質に磨きを掛けてきました。医療機器は参入障壁が高いため、簡単に新規参入が出来ません。よって、企業買収することで、安定した売上、利益が期待できます。



◆さらなる成長を予見
今後10年間で研究開発費100億ドルを投じることを発表しており、成長を加速させると見られます。

高い製品開発力を有し、手術支援ロボットも開発しており、2020年にも発売する見込みです。

心疾患や糖尿病は世界的に患者が多く、世界的に死亡原因の上位となっています。つまり、メドトロニックのそれらに関連する医療機器のニーズは高いと言えます。



◆国別売上シェア(2019年4月期)
売上は、アメリカで過半を上げており、先進国、新興国などワールドワイドに上げています。アメリカ以外のシェアを少しずつ上げています。

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(資料引用:メドトロニック サイトより)



◆事業別売上シェア(2019年4月期)
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心疾患及び血管:37.7%
低侵襲医療:27.7%
修復医療:26.8%
糖尿病:7.8%



◆株価推移[単位:ドル]

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(チャート引用:メドトロニック サイトより)

各年始値[単位:ドル]
2000年 33.00
2001年 60.25
2002年 50.50
2003年 45.60
2004年 48.65
2005年 49.60
2006年 57.87
2007年 53.08
2008年 50.00
2009年 31.51
2010年 44.34
2011年 37.25
2012年 38.92
2013年 41.45
2014年 57.21
2015年 72.13
2016年 75.83
2017年 70.25
2018年 82.16
2019年 89.53
2019年8月23日 106.05

リーマンショックでは40%株価を下げました。ディフェンシブと言われるヘルスケアセクターですがリセッション時はそれなりに影響を受けています。その時期を挟んで株価は30〜60ドルの間で上下しています。ここ数年でそれを抜けて株価は順調に成長しています。現在は3桁に載せてきて、2019年8月23日現在で106.05ドルです。企業買収による成長が株価に連動していますね。



◆業績(売上高および営業利益)[単位:億ドル]
2017年 / 297 / 65.4
2018年 / 300 / 68.5
2019年 / 306 / 70.7
2020年 / 322 / 75.5
2021年 / 338 / 80.1
※2020年、2021年は予想。

売上高、営業利益ともに右肩上がりです。


キャッシュフロー[単位:百万ドル]
決算期/営業CF/投資CF/フリーCF
2016年 / 6880 / -1571/ 5309
2017年 / 4684 / 5858 / 10542
2018年 / 7007 / -774 / 6233

フリーキャッシュフローは潤沢で、フィリップ・モリス並みにあります。


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◆1株利益、配当金、配当成長率[単位:ドル]
2009年 / 1.84 / 0.60
2010年 / 2.79 / 0.86 / 43.3%
2011年 / 2.86 / 0.94 / 9.3%
2012年 / 3.41 / 1.27 / 35.1%
2013年 / 3.37 / 1.10 / ---
2014年 / 3.02 / 1.20 / 9.1%
2015年 / 2.41 / 1.45 / 20.8%
2016年 / 2.48 / 1.67 / 15.2%
2017年 / 2.89 / 1.81 / 8.4%
2018年 / 2.27 / 1.96 / 8.3%
2019年 / 5.12 / 1.98 / 1.0%
2020年 / 5.55 / 2.11 / 6.6%
2021年 / 6.01 / 2.20 / 4.3%
※2019〜2021年は予想。
※1株利益は希薄化後。
※4半期配当ですが、2012年のみ5度配当。

1株利益は上げたり下げたりしていますが、2018年の落ち込みは投資損失および米国税制改正による影響で一時的なものです。この先は力強く成長する予想です。

配当金は41年連続増配です。配当金は10年で3.6倍です。



◆予想配当利回り、海外課税
予想配当利回り:2.04%(2019年8月23日現在)

高配当とは言えませんが、増配していますので、長期保有することで利回りは上がります。

アイルランドの配当金への課税は20%です。アメリカからアイルランドに本社を移転したことにより、配当金への課税は2倍(米国は10%)になりました。ここから、さらに日本でも20%課税されますから、合計すると、36%課税となります。配当を目的にした投資をするには、アメリカ株(米日で合計28%課税)より不利と言えます。


◆各種指標
予想ROE:13.90倍
予想PER:27.09倍
実績PBR:2.83倍
※2019年8月23日現在



◆まとめ
メドトロニックは、参入障壁の高い医療機器の世界で、次々と企業買収を繰り返しており、規模が拡大しています。今年(2019年)もEPIXセラピューティクスと買収合意しており、この先も拡大を続けるでしょう。そして、元から高い技術力、製品開発力を有しています。つまり、質も量も優れていると言えます。

さらには、先進国では高齢化していき心臓ペースメーカーを使用する人口は増え、新興国では医療にアクセスする人口は増えます。世界的に、心疾患や糖尿病は患者が多く、死亡原因の上位です。よって、メドトロニックが活躍する土壌が整うと言えます。

従いまして、企業成長が予見され、それに伴い株価成長が期待できます。

また、連続増配は41年と長年続けており、この先も増配が期待できます。

つまり、キャピタルとインカムの両方で儲けることが可能であると分析します。


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投資判断は自己責任にてお願い致します。


今日も何事にも適温でまいりましょう。



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