三菱商事は、2019年9月20日、海外子会社で損失が発生したことを発表しました。発表によりますと、損失額は約320百万米ドルとのことです。日本円に換算しますと、約344億円にもなります。この損失が三菱商事に与える影響はいか程のものなのでしょうか?結論から申し上げますと、心配していません。
こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
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三菱商事の海外子会社での損失について、話題になっています。僕okeydonも投資しており、国内外ポートフォリオ1位の銘柄です。とはいえ、僕okeydonは全く心配していません。
三菱商事のリリース文を要約しますと、
①シンガポール子会社Petro-Diamond Singapore(以下、「PDS社」と表記)にて、デリバティブ取引に関連して344億円の損失が発生する見込み
②損失が発生しているのは、原油デリバティブ取引で、対象となる取引は手仕舞い、損失を確定している
③発生経緯は、PDS社が行っていた中国向け原油取引において、当取引を担当していた現地の中国籍の社員が社内規程に違反してデリバティブ取引を繰り返していた
④ほかに同様の事態が発生していないか、グループ企業全体で調査した結果、現状問題がないことを確認した
⑤業績に与える影響は精査中であり、業績見通しに見直しが生じる場合は速やかに発表する
とのことです。
この損失額だけを見ると、「344億円!!!!!とんだ巨額損失だな!株持ってるけど、売り!売り!」と焦りそうな気持も分からなくはないですが、僕okeydonの個人的な感想としては、まったく気にしていません。保有株は全株ホールドします。
三菱商事の業績に目を移してみましょう。
まず初めに、2018年度決算から見ていきます。
(資料引用:三菱商事決算資料より)
2018年度決算発表によりますと、2018年度の純利益は5907億円、前年比305億円の増益となっています。これは売上高ではありません。1年間の純利益です。
続いて、直近の四半期決算(2019年8月9日発表)はどうなっているでしょうか。
(資料引用:三菱商事決算資料)
2019年の業績見通しによると、純利益は前年比93億円増の6000億円を予想しています。
そして、9月19日発売の会社四季報の業績予想(純利益)はどうでしょうか。
2019年度 6000億円
2020年度 6300億円
最後に、三菱商事の資料によりますと、2021年度(2022年3月)の純利益計画は9000億円です。
(資料引用:三菱商事ホームページより)
今回の損失額は344億円であるのに対して、三菱商事の純利益はこのように莫大です。今期、来期ともに増益予想です。2021年度には純利益が実に9000億円の計画です。今期は、この事案により、前年比マイナスとなる可能性がありますが、それは一過性のものに過ぎません。
また、今回の損失発生事案は、三菱商事(本体)で組織的に行われていたものではなく、海外子会社において発生した一時的なものです。これ以上の損失の広がりはなく(関連して多少のブレは生じるかもしれません)、連鎖的に他の案件がポロポロ出てくるようなこともまずないでしょう。事業ポートフォリオが国内外の様々な分野に広がり巨大すぎるから発生した事案であり、「不祥事」ではなく「事故」だと判断します。今後のガバナンス改善には目を向けてはいきたいと思います。
結論としましては、この事案は突発的なものに過ぎず、2019年度決算に軽微な影響が出るリスクはあるものの、来期以降には関係なく、三菱商事の成長性には何ら疑いの余地がないということです。目先はこのリリースや関連する報道から株価が下がるかもしれませんが、長期投資家の僕okeydonとしては かすり傷だと思っています。よって、先ほど述べましたように、保有株は「ホールド」という判断しています。
補足として、今期の配当金がどうなるか個人的な見解を申し上げます。三菱商事は、累進配当政策を宣言しています。これは、業績が良ければ増配して、そうでなければ前年同額の配当をするというものです。従いまして、減配はないでしょう。累進配当政策の宣言につきましては、下にリンクします過去記事をご参照ください。
投資判断は自己責任にてお願い致します。
今日も何事にも適温でまいりましょう。
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