こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
アメリカ株が息を吹き返しています。この先、トランプ大統領と習近平国家主席による米中貿易交渉の結果次第では、しばし適温相場が再来すると期待してもいいのではないでしょうか?!
アメリカの雇用統計(1月)は、非農業部門雇用者数変化(前月比)が、予想16.5万人増に対して、結果30.4万人増と大幅に予想を上回りました。
失業率(1月)は、予想3.9%に対して、結果4.0%と予想より悪い結果となりましたが、前月が3.9%ですので横ばいとなります。アメリカは5%を下回ると実質的に働きたい人は全員働いていることを意味しますので好調と解釈できます。政府閉鎖により政府職員が給与不支給となっていましたが、その分は遡って給与の支給を受けられる法律が成立しました。
ISM製造業景況指数(1月)は、予想54.0に対して、結果56.6と予想を上回りました。この指数は、製造業における景気転換の先行指標で50が景気動向の良し悪しを測る分岐点となります。50より上が好景気となります。
ISM非製造業景況指数(1月)は、予想57.2に対して、結果56.7と予想を下回りました。しかしながら、50を超えているので、好景気と判断できます。
時間あたり賃金前年同月比(1月)は、予想3.1%に対して、結果3.2%と予想を上回りました。時間あたり賃金は緩やかに上昇しており消費拡大に寄与します。
実質GDP成長率予想は、2019年2.5%の成長が予想されています。2018年は減税による効果があり2.9%成長で、そこから見ると成長率は下落しますが、それでも2%以上の成長率を維持します。これはアメリカのGDPの70%を占める個人消費支出が高い水準にあることにより支えられています。直近では、年末商戦が堅調だったようです。
企業業績は、2018年の大型減税の効果が無くなるため成長率が低下しますが、それでもマイナス成長ではなくプラス成長が予想されています。証券マンの話によりますと、直近の企業の決算発表を見ると利益の伸びは鈍化しているものの、プラス成長を維持しており、景気は減速しながらも成長は続いているとのことです。
経済指標等の発表を見ると、アメリカ経済は比較的 好調です。
1月分の経済指標の発表に先立ち、パウエルFRB議長が、利上げを一時停止する方針を示したことは、株式市場にプラス要因として大きいと思います。利上げがなくなり、逆イールドの心配もなくなりました。12月初旬からクリスマスに掛けての下げ相場は、逆イールドを先取りしたものでしたので(5年国債と2年国債の金利が逆転)、その心配がなくなったことで巻き戻しが起こり株価は上げました。
※逆イールド:長期金利(10年国債)と短期金利(FFレート)が逆転する現象で、リセッション入りのサインとされています。本来は長期金利が短期金利より高い状態にあります。
また、パウエル議長は、昨日(日本時間2月7日午前9時)の公演では、金融政策についての言及はなく、「アメリカは失業率が低く、目標のインフレ率2%に近い水準であり、米国経済は良好である」旨述べています。
米中貿易摩擦は、今月予定される米中両国首脳によるトップ会談により、「経済的」には何らかの合意が期待できます。米中ともに経済が弱含みしており、一旦休戦するのではないかと思われるからです(ただし、「政治的」には長引きます。アメリカはファーウェイおよび同社CFOを起訴、中国はカナダ人を拘束しています。)。これにより世界的に貿易が活発化し、企業業績は成長を再加速させる、そのように思います。
よって、米中貿易交渉の結果次第で、しばしの適温相場の再来を期待せずにはいられません。「しばし」と付け加えましたのは、利上げが止まる観測がある間だけということです(逆イールドが起こる心配がないのは大きいです。)。
アメリカ株は歴史的に見て、長期では右肩上がりですので、これからも安心して長期投資していきたいと思います。
投資判断は、自己責任でお願い致します。