こんにちは、okeydon(おけいどん)です。
フランスのルノーと日本の日産の経営統合問題、両国政府をも巻き込んでの綱引きとなっています。日本政府は静観しているようですが、仏政府は前のめり気味にも取れます。それは仏政府がルノーの株を15%保有する大株主だからです。仏政府&ルノー連合は攻め、日産は守りです。
2月1日のニュースによりますと、ルノーと日産の首脳が初対談を行ない、とりあえずは合議制を取ることで三菱自動車も含めて三社合意したということです。とはいえ、この先ずっとルノーが大人しくしているとも限りません。
日産の株主構成を見ると、ルノーがおよそ43.4%を保有しています。これでは、首根っこどころか、体丸ごとルノーに抑えられているようなものです。将棋でいえば、日産が飛車角落ちで戦っているようなもの。これだけの株を持っていながら、仏政府とルノーはまだ穏和に進めている方とも取れます。ルノーがもっと強硬な姿勢に出ると、仏政府も加勢してくると思います。
他方、売上で両社を比較すると立場は逆になります。ルノーが7.7兆円に対して、日産は12兆円です。企業規模でいえば日産に軍配があがります。
しかしながら、資本主義の世界では、売上どうこうで勝負できるわけではありません。果たして、2年後に日産という会社は存在するのでしょうか?まさかが起こる可能性は大いにあると個人的には思います。
株主には、法的に権利が認められています。その権利は、自益権と公益権の2つがあります。
自益権とは、権利行使した結果がその株主個人の利益に影響する権利のこと。具体的には、配当金を受け取る権利が自益権にあたります。日産は高配当ですが、ルノーに大変な利益をもたらしています。日産の配当金の多くをルノーが受け取っているというのが現実です。
他方、公益権とは、権利行使した結果が株主全体の利益に影響する権利のこと。会社経営に参画する権利とも言われます。具体的には、株主総会の議決権、議案権、株主総会招集権、役員の解任請求権などが公益権にあたります。ルノーはこれをもって経営統合の提案をしてくる可能性があるのです。
この一連の流れを見ていて思うのは、資本主義において、やはり株主は強いなと言うことです。資本主義の世の中では、労働者、経営者よりも投資家でいるべきだと改めて思わされます。
我々個人投資家も、自益権で配当金を受け取るのは勿論ですが、公益権も使っていいと思います。例えば、議決権行使を行なったり、累進配当政策を導入してもらうべく意見を述べたりしていきたいものです。
※累進配当政策:平たく言えば、業績が悪くとも減配せず前年配当を維持する、業績が悪くなければ増配を実施するというものです。
良き投資ライフを歩んでまいりましょう。